ハローワークまっぷ

ハローワーク不要 廃止論

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ハローワーク不要論、廃止論

ハローワーク不要論、廃止論というのが一時あった。管理人は、その頃はまだしっかり就業していて、その議論、主張は何かで耳にしたのかメディアで読んだのか。いずれにしてもあまり関心をもてる話題ではなかった。
誰でもそうかもしれない。自分が仕事に追われている時は、国の雇用対策とか失業対策とか、わが身のこととは思えないのは、人の性かもしれない。ハローワーク不要論、廃止論も、その時はほとんど聞き流していた。
ハローワークを利用し、何とか再就職もでき、こうしてハローワークまっぷを作っているが、このハローワーク不要論、廃止論について、経験者としての考えを述べておきたい。

主張するところ

ハローワーク不要論、廃止論の主張するところは、民間の就職支援サービスや転職サービス、紹介業などがこれだけ充実してきているのだから、ハローワークは雇用保険の失業手当や、教育訓練の支給金などを扱うだけにして、職業紹介、求人情報の提供など、民間でできることは民間にやらせればいいということのようだ。国が求人情報などを提供するのは、民業圧迫だし、公務員は無駄だというわけだ。実際に中高年という立場で、ハローワークを利用することになるまでは、なるほど・・とも思ったほうだ。しかし今になってみると、これは求人を出す側、求人情報を求める、仕事を探す側の両方にとって問題があると思うのだ。
まず求人情報を出す側の会社から言えば、大手の企業はそれくらいの採用費用は出せるかもしれない。しかし零細や中小の企業にとっては、採用のための経費も、経営上なかなか大変な会社や商店だってあるのだ。民間の求人情報サービス、あるいは紹介業は、ビジネスとしてやっているのだ。

そして仕事を探す側から言えば

管理人は会社都合の離職で失業者になった。かなりの期間を費やし、今はどうにか仕事を得ることができているが、準備のない中高年の再就職、仕事探しというのは、実に大変なものだ。ハローワークだけではなく、民間の紹介業、転職サービスなども使えるものは全部使った。
端的に言ってしまえば、民間のサービスは、企業としてビジネスとして行っている。担当者は、キャリアコンサルといいながらも営業でもあり、やはり成功させて、企業からの報酬を得なければビジネスとして成立しない。求人情報を求める人、求職者は、彼らにとっては、お客様でもあり大事な商品でもある。商品価値の高い人は、民間のサービスも大事にされる。しかし商品価値の低い人の扱いは、民間のサービスでは、けしていいとはいえないというのが、管理人の実感だ。
管理人は若いころにはそういったサービスから「転職しましょう」「今がチャンス」と言われていたが、年齢が高くなると、「まあ一応受付はしときますけどね…」程度である。
ハローワークは、自分も含めて、商品価値を減じている中高年、あるいは様々な事情のある人に対して、現状を踏まえたうえで、「じゃあどうやって企業に買ってもらえる商品価値をつけましょうか」も事業対象としている。教育訓練もそうだし、いろいろなセミナーや相談にもその視点がある。ぶっちゃけ商品価値の高い人は、民間のサービスで探したほうがいいかもしれない。より高く買ってくれる企業をみつけやすいだろう。紹介業は、高く買ってくれる会社(給料のいい会社)に売ったほうがもうかるのだ。
しかし、管理人のように、旬の時期を過ぎた世代、まだシルバーとまでいかない世代にとっては、ハローワークはありがたい存在であった。
全面的に、ハローワークを擁護したいわけじゃない。様々な疑問や腹立ちもあった。改めてほしいと思うこともあるのだが、それはまた個別に書き起こそうと思う。
だがハローワークを廃止してしまえ、不要であるという主張には、実際に失業者として、ハローワークも民間も利用させてもらった身としては、けして賛成できないことは、明らかにしておきたい。