ハローワークまっぷ

除染業者の労働法違反

厚生労働省の発表

今朝の朝日新聞の1面にも掲載されていたのだが、福島県内で除染を行っている業者242社のうち108社で労働基準法や労働安全衛生法等の関係法令の違反が見つかった。45%というとんでもない数字だ。詳細は、厚生労働省のWEBサイトにあるので、下にリンクを貼っておく。
このサイトは、ハローワークを主体にしたサイトで、この件はハローワークには直接は関係がないのだが、あまりに腹立たしく、労働関係ということで、とりあげておく。

賃金の関係

賃金の不払い、賃金台帳を作成していないなどがあるのだが、内部被ばく測定や特別教育に要した時間分の賃金が不払であったものが4件、労使協定がないまま賃金控除したものが2件だが、特殊健康診断の受診費用等が本人負担となっていたものが1件ある。
環境省発注の除染等業務では、下請を含め、すべての労働者について、労賃に加え、特殊勤務手当(除染手当)を支払うことが発注条件となっているのに、実施はわたっていないというケースも多い。搾取だな、文字通り。契約不履行でもある。
金の話の違反は、ある意味、様々な業種の事業所でも起こりうる。IT業界で、派遣をメインで行う会社でも、賃金の不払いなどの話は、時々耳にした。

命や健康に関わること

しかし、除染という危険を伴うとされる仕事で、安全衛生に関して、違反しているというのは、労働者の命や健康を、何だと思っているんだと、怒りが込み上げてくる。
線量の測定をしていない、事前調査をしていない、退出者、持ち出し物品の汚染調査をしていない、健康診断を実施していない、放射線測定器を備え付けてない。安全関係の法令違反が、これほどまでに多いことに愕然とする。
働く人の命や健康を無視しているような話は、昔の炭鉱労働の世界では、繰り広げられてきていて、改善し、彼らを守るためにも、労働関係の法規は整備されてきたはずだ。それを、国から金が出ているからと、命や健康を無視して、利益に走る。

利益をあげるのは

利益を上げるのは、ある意味、企業、会社の存続のための条件でもある。企業活動は慈善事業ではない。それはわかる。かつて役員として会社の経営陣にいたこともあって、理解はできる。ただ会社を存続させることには、社会的意味があったり、労働者の雇用を守ったり、いい意味での大義、名分がある。
働く人の命と健康を、利益のために無視する会社、犠牲にする会社、ないがしろにする会社に何の正義があるというのだ。

何ができるのか

この日本で、いまだこのような人権を無視するようなことがなされているという何ともやりきれないニュースだ。そして、今、その彼らのために何もできない自分を悲しくも思う。
厚生労働省は、違反している事業者を公表してほしい。今回は、行政指導や発注者である環境省への通報でとどまっているようだが、改善されない事業者は、公表するべきだろう。また環境省にしても、特殊勤務手当(除染手当)の不支給などがあった業者は、明らかに契約条件への違反である。次年度の業務発注対象から除外するのは当然の措置じゃないだろうか。
毅然とした措置を行わない限り、弱者を犠牲にする体質は、改まらないように思う。