日本漢字能力検定(漢検)

これは私が、日本漢字能力検定を取得した時の思い出話です。 当時私は漢検一級の取得を目指している最中でした。 先ずは準二級から。 そしてどうせなら全ての級をコンプリートしたいという気持ちもあったので、同じ日程で時間帯もかぶらない、六級と七級も遊びで受験する事にしました。 先ずは準二級の試験を滞りなく終え、七級の試験会場に入った時。 私はそのまま帰りたくなりました。 何故ならそこには、どう見ても小学生の受験生しか居なかったからです。 少し考えればそれは当然の事です。 漢検七級は、小学四年生程度の問題なのですから。 中には片手で数える程度ですが大人の受験者も居ました……が、漏れなく隣の子と一緒に予習をしています。 間違い無く親子受験というやつです。 大人一人での受験は私だけ。 本当に居た堪れなくなり、帰ろうかと踵を返そうとした時。 試験監督の、ちょっとお爺ちゃんなスタッフさんに呼び止められました。 「何級を受けるの?」と。 当然ながら、まさか七級を受けるとは思っていない様子でした。 私は正直に、七級を受けるので迷子ではないと、しかし教室を見たら場違いで恥ずかしかったから、試験を放棄して帰ろうと思っていた旨を話しました。 するとスタッフさんは優しい笑顔で、 「場違いなんて事は無いよ。資格を取るのに年齢なんて関係無いんだから」 と言ってくれました。 ドラマなどではよくあるシチュエーションと台詞ですが、実際にそんな状況に立たされ、言われると、感動の度合いが違います。 勿論私は帰らずにきちんと七級、そして六級の試験も受けて、全て合格。 以来、恥ずかしさが起因となる場違いな空気を感じたら、この言葉を思い出し、勇気を出して実行する事で、後悔を減らす人生を送っています。
miwakeicht (30代女性) 2007年7月


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