司法試験

新司法試験のうち、配点比率の大きい、民事論文試験について述べます。受験システムに微妙な変化があり、現在では大問ごとに時間が区切られています。その結果、受験生としては、手を出せなくなる設問が存在することはなくなりましたが、対して、一つの設問に対して、例えば二時間を費やすということはできなくなってしまいました。その結果、迅速な処理を要するために、答案構成のアウトプットに慣れておく必要があります。例えば、民法に関しては、要件事実の変動しようがない部分の答案構成は予め暗記しておくべきでしょうし(請求原因と、各要件事実がなぜ要求されるのか、という意味での簡単な理由付け程度のこと。)、会社法に関しても、会社法規則で重要な部分については、細かいかもしれませんが、ある程度の条文数の暗記は必要でしょう。ありがたいことに、民事訴訟法が短答試験科目から外れたこともあって、受験生としてはその細かい知識に疎かな範囲が増えてしまうかもしれませんが、そのかわりに複雑訴訟や控訴の範囲について、論文試験で問われる可能性が生まれてしまっているのが実際のところです。基本書ではかなり後半の部分になりますし、その内容が比較的難易度が高いものでありますので、できるだけ早い段階からいくつかの基本書を利用する形で、判例の知識を深めることにつとめるべきでしょう。
こたこたこたろん (30代男性) 2012年


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