最難関の国家試験の一つとして数えられる司法試験ですが、旧司法試験が完全廃止された今、新司法試験の合格率はそれに比べてだいぶと容易なものになっています。とはいえ、制度成立当初の合格率は維持されておらず、結局はかなりの習熟度が要求されるものでもあります。そして、現段階でも制度は微妙に変化しており、現段階では短答試験として課される科目は、憲法・民法・刑法の三科目だけに限定されています。全体における配点比率は少ないですが、足きりの可能性もあるので、最低限の勉強は必要です。ただ、旧司法試験の頃に比べてその内容は易化しているのも実際のところで、例えば、旧司法試験の頃に見られたような、一問につき幾パターンもの事例設定がされて、判例の見解を前提とした場合に導き得ないものを複数回答選択する、というような受験生泣かせの問題はだいぶと減少しています。判例の知識と、条文の読み込みを中心とした学習を重ねるだけで、最低限の水準を超えることは可能でしょう。新司法試験の傾向として、論文試験においてかなりの事例処理能力が要求されるという点が挙げられるでしょうし、必然的にそれへの対策に時間をとられることになるでしょう。したがって、短答試験の対策に割く時間は限られているでしょうが、あくまでも基本科目に限定されているのだ、というメリットを十分に生かすためにも、冬の段階では、八割程度の正答率を獲得できるような反復練習を繰り返しておくべきかと思われます。
こたこたこたろん (30代男性) 2012年