ソムリエ

ワインバーをやりたいと思ったのがきっかけでした。ソムリエの受験資格に実務経験が5年必要だというので、両親のレストランで働きながら勉強し、ワインには料理とのマリアージュが不可欠なのでフランスのレストランにも1年間料理人として働きに行きました。帰国して受験するまで約半年。近所のレストランで働くベテランのソムリエが先生となってくれて、毎晩閉店後に筆記試験対策のポイントを暗記し、ブラインドテイスティングも3?5種類していました。ランチ、ディナーと一日働いた後の暗記は毎晩睡魔との戦いで正直かなりきつかったです。若くもないので暗記力も落ちている事に軽くショックも受けました。更にブラインドテイスティングも真剣に飲んでいると早く酔ってしまいます。本当は口に含むだけで吐き出してもいいのですが、美味しいので飲んじゃってました。そしてワインだけならまだしも、ブランデーやリキュールなど度数の高いアルコールなども試験に出るので、多少お酒には強いほうでしたがこれも大変でした。近所のバーで毎晩5種類ほどショットグラスにストレートで入れてもらい味わって憶えました。最後はデキャンタージュを含むサービス実技対策です。これは時間もなく試験2日前に慌てて練習しました。見ていただいたソムリエからは「ちょっと厳しいね」と言われてしまいました。実際の試験では筆記は自信もありクリアできました。テイスティングでは5種類中4種類は当てることができました。一番自信がなく緊張したサービス実技では、まさかのワインをこぼすという失態。実際のサービス中だと言い聞かせ冷静に「失礼しました」と言って拭いてなんとか終了。結果発表までは生きた心地がしませんでしたが、結果は合格でした。ソムリエは資格を取ってからがスタート。とはいえ、資格を取るまではお客様の年齢層が高いお店という事もあり、30代女性にワインを勧められても説得力もなくあまり売れなかったのが、バッジをつけ多少自分で自信が持てたのでワインの本数も増え単価もあがりました。資格があるからなんだと同業者から言われた事もありましたが、私にとってはやはり良い方に変化があったので資格を取ってよかったです。もちろん勉強する事に終わりはなく、奥深いワインの世界を今も楽しみなが学んでいます。
ヴァンダンジュ (30代女性) 2012年


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