機械検査作業

この資格は物を測定する技能においてその能力が一定水準以上にあると国が認定する試験です。ものづくりの世界において、その物が正しく作られているかを判定する検査と呼ばれる工程で必要な技能ですが、その重要性に対して経営者の視点から見ると実はお荷物と呼ばれる事が多いです、製造現場(加工、組立)の人間は「物を作る=お金を生む」が、検査の人間は「直接物を作らない=お金を生まない」と思われている為です。ですが、検査をおろそかにしてしまうと、昨今ワイドショーをにぎわせている大規模リコール問題等会社の信頼を大きく落とすような事態になってしまいます。理解のある経営者さんは「検査=会社の信頼を守る立場」と私たち検査員を大切にしてくれていますが、どちらにしても確かに検査員はお金を生みませんから経営の観点から人数でどうにかするのではなく、優秀な検査員を少数精鋭で欲しがります。その場合の指針の一つになるのがこの技能検定機械検査作業です。実務経験が必要ですが工業系の高校以上を卒業していれば3級の実務経験は免除されます。3級取得後2級までは実務経験は不要です。実際の試験では、検査に必要な知識から、実際にモノを測定する実技試験、条件を指示された上で図示された部品をどのように測定するのか説明する実技の筆記試験があります。この実技の筆記試験が曲者で、三平方の定理だとか、数学の知識も問われるなかなか面倒な試験になります。技能検定の合格者は技能士という称号を得られ(この資格を取らずに技能士を名乗ると法律で罰せられます、その位権威ある資格です)、企業によっては2級以上から奨励金を出してくれる会社もあります。会社入社後に会社の指示で取得する場合もあります、工業の分野において技能士がもつネームバリューはそれなりに高いのです。ちなみに取得後はその作業だけでなく、後進の教育係になったりもします。
うーたん (20代男性) 2015年


----------------------------------------------