私は高校、大学とド文系の道をたどってきました。得意科目は英語で、数学や理科が大嫌いで勉強をしたくなかったので大学は語学系の大学に通いました。しかし、そんな私がITパスポート試験を受けることになったきっかけは入社した会社でこの試験の合格を義務付けられたからです。私が新卒で入社した会社はIT業界の会社でした。文系者歓迎とのことだったのですが同期はみんな理数に強い人ばかりで、社員研修ではITに関する座学もありましたが私は全然ついていけませんでした。そして新入社員は入社2か月以内に試験に合格するように言われていましたが、1か月以内に半数、2か月以内に合格できたのは7割でした。この時はまだ他にも合格できていない人がいたので少し安心していましたが、4か月後にはとうとう私1人になってしまいました。入社2か月で新人研修期間は終わり営業に配属されていたので実務と並行しての試験勉強はさらに辛く、休日も返上で勉強していました。何度も過去問を解きまくりましたがどうしてもストラテジ系の問題が苦手でスコアが伸び悩んでいました。何度受けてもあと少しのところで合格点に至らず、会社を辞めようかとも思いましたが、技術部の先輩や技術部長までもが業務時間外に勉強を教えてくださったので退職は思いとどまりました。ITパスポートは毎週試験が実施されているので会場の予約さえ取れればいつでも受験することができましたが、毎回会場に選んでいた場所は自宅近所の定員が5名の公民館でした。受験者のほとんどは専門学生と思われる男性ばかりで、女性であるだけでも目立っていた私。試験監督官である公民館の人に覚えられてしまったのが辛くて5回目の受験では遠いけど大きな会場に場所を変更しました。するとついにその日、いつも通り諦めながら回答終了ボタンをクリックすると、そこに表示されたのは650点とぎりぎり合格点を超えたスコアでした。その時は10月で入社から半年も経っていました。そして翌営業日、出社して会社に合格した旨を報告すると全社員から拍手されみんな喜んでくれました。正直半年もかかった上に4回も落ちているので褒められることではないのでその拍手が恥ずかしい以外の何物でもなく、だけど合格してホッとして、今でも一番思い出に残っている資格です。
すももたろう (20代女性) 2012年5月、6月、7月、9月、10月